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文殊菩薩のことをつらつらと

更新の間が空いてしまってごめんなさい〜!

 

気付けば2023年のスタートです!

十二支の守り本尊でいうと卯年は文殊菩薩さまですね。

 

 


(出典:大智寺ホームページより https://www.daichji.com </ >)

 

ちなみに、守り本尊は千手観音さま・虚空蔵菩薩さま・文殊菩薩さま・普賢菩薩さま・勢至菩薩さま・大日如来さま・不動明王さま・阿弥陀如来さまの8パターンになっています。

 

千手観音菩薩(子)

虚空蔵菩薩(丑・寅)

文殊菩薩(卯)

普賢菩薩(辰・巳)

勢至菩薩(午)

大日如来(未・申)

不動明王(酉)

阿弥陀如来(戌・亥)

 

私は午年生まれなので勢至菩薩さまですが、勢至菩薩さまって単独でお祀りされることがあまりなく、阿弥陀如来さまの脇侍としてしかお寺で見たことがありません。なんだかちょっとだけ寂しいです(笑)

 

しかし、まさかの都内に勢至菩薩さまがご本尊のお寺があると仏友さんに教えていただきました!東京都江東区にある勢至院というお寺は、勢至菩薩さまがご本尊のようなので、機会があればお参りしたいです。

 

他にも勢至菩薩さまが単独でお祀りされている現場を目撃したらご一報くださいませ!

 

さて、卯年の守本尊である文殊菩薩さまの話に戻りますが…

 

文殊菩薩さまといえば「三人寄れば文殊の知恵」ということわざがあるように、知恵や学問をつかさどる菩薩ですね!

これからの受験シーズンは、神社だったら天満宮の菅原道真公、お寺だったら文殊菩薩さまをお詣りする人が多いイメージです。

 

しかし、本当の教えは「智恵」じゃなくて「智慧」なんです。仏教の智慧とは、悟りを開くために大切な本質を見極めるための力、という意味なんだそうです。

 

文殊菩薩さまは、経典の中では菩薩グループのリーダーとして、お釈迦さまが説いた教えを文殊菩薩が他の菩薩たちに伝えるというとても重要な働きをしています。

 

そんな文殊菩薩さまがお釈迦さまに仕える姿で表されているのが釈迦三尊像です。多くは、お釈迦さまの向かって右に文殊菩薩さま、左に普賢菩薩さまがいらっしゃいます。

 

 

(京都・安国寺 宝冠釈迦如来坐像と脇侍の文殊菩薩坐像、普賢菩薩坐像)

 

文殊菩薩さまと普賢菩薩さまはお釈迦さまをサポートする名コンビで、文殊菩薩さまが“智恵”・普賢菩薩さまが“行”を表しています。

お釈迦さまの教えを完全なものにするためには、智慧とそれに基づく修行の両方が必要だよ!と、伝えているのです。

 

文殊菩薩さまの種類についてですが、一般的には獅子に乗ったお姿がメジャーかも知れません。しかし、初期の経典では獅子に乗った姿は解かれていないそうです。

やがて仏教がインドから中国に伝わると、獅子に乗った文殊菩薩さまが誕生します。獅子に乗った文殊菩薩さまを「文殊菩薩騎獅像」と言います。

 

それが日本に伝わると、獅子に乗った文殊菩薩さまが中国の五台山から海を渡ってやって来たと考えられ、そこで誕生したのが“渡海文殊菩薩”です。

 

渡海文殊菩薩像

渡海文殊菩薩といえば、安倍文殊院にいらっしゃるイケメンさん! 獅子に乗り4人の脇侍を伴うお姿です。

 


(出典:安倍文殊院ホームページより https://www.abemonjuin.or.jp

 

安倍文殊院の文殊菩薩さまは、1203年に快慶によって造立されました。右手に降魔の利剣を持ち左手に蓮華を持っています。

 

文殊菩薩さまの付き人は、向かって右側でステップを踏むような善財童子(ぜんざいどうじ)、右後ろに獅子の手綱を握る優填王(うでんのう)、左後ろに維摩居士(ゆいまこじ)、左手前に須菩提(すぼだい)です。

 

このメンバーで大海を渡る姿を想像してみると…ロマンティックな光景が浮かんできますよね!

 

五髻文殊菩薩像

次に注目するのはヘアスタイル!

(出展:東京国立博物館ホームページhttps://webarchives.tnm.jp/imgsearch/show/E0062153

 

安倍文殊院の文殊菩薩さまは髻が1つなのに対し、“五髻文殊菩薩像”と呼ばれる文殊菩薩さまは、五髻(ごけい)という5つのお団子にまとめたヘアスタイルをしています。この5つのお団子は5つの智恵を表しています。

 

その中でもお団子の束ね方が様々で、こちらの文殊菩薩さまはまるでクロワッサンのように巻かれた個性的なヘアスタイルです。

 

僧形文殊菩薩像

文殊菩薩さまは、一般的には若々しく童子のようなお姿をされているイメージがあるかと思いますが、こちらの「僧形文殊菩薩」は、その名の通り僧侶の姿をしています。

 

(善水寺ポストカードより 僧形文殊菩薩坐像)

 

これは、修行僧たちの模範となる聖僧のお姿で、もとは僧侶たちが学んだり食事をしたりする講堂や食堂に祀られていたお像が多いようです。

 

滋賀・善水寺の僧形文殊菩薩さまは、お爺ちゃんでベテラン僧侶という感じですね。

 

最後に、めずらしいお像をご紹介します!

 

見返り文殊菩薩

(滋賀・源昌寺 文殊菩薩立像)

 

滋賀県・源昌寺にいらっしゃる「見返り文殊」と呼ばれるお像です。

獅子の上に立ち、顔を振り向いたとてもめずらしいお姿です。

 


秘鍵大師像

(出典:鎌倉仏像めぐりより補陀落寺 秘鍵大師像坐)

 

こちらは剣を持った弘法大師さまです。弘法大師像というと、右手に五鈷杵を持つお姿がメジャーですが、こちらは文殊菩薩さまの剣を持った「秘鍵大師」というお像です。弘法大師さま自身が文殊菩薩となり誓願しているお姿とされています。

 

いやぁ…いろんなカタチで表現された文殊菩薩さまがいらっしゃるんですね!

 

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ということで、新年初ブログは卯年の守本尊である文殊菩薩さまについて書いてみました!

2023年は、仏像部でどこか巡ったり、みなさんに楽しいことを発信できたらいいなぁ〜と思っています!

 

本年も仏像部をどうぞよろしくお願いします。

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