仏像部茨城遠征 |関東で唯一の“即身仏”と謎の阿弥陀三尊像
仏像部久しぶりの遠征~!
仏像部のメンバーで旅をするのは何年ぶりだろうか??と、記憶をたどってみると・・・
2014年に佐渡島を旅した以来でした!なんと5年ぶり~
そんなきっかけを与えてくださった水戸生涯学習センターさんに感謝です!
最初に訪問したのは関東で唯一の“即身仏”がいらっしゃる妙法寺( 茨城県桜川市)でした。
実は妙法寺は仏像リンクのオフ会で訪れたことがあるので、今回が2度目になります。
関東で唯一の“即身仏”を参拝
舜義上人がこの寺に入り、1686年2月に入寂したと伝えられています。
舜義上人は相模国三浦郡の出身で、三浦一族としてお生まれになりました。そして、元は私の大好きな鎌倉・宝戒寺のご住職を努めておられたそうです。同じ神奈川県出身ということで、勝手に親近感を抱きます(笑)
しかし、そのお姿はかなりのインパクト。前傾姿勢で口大きく開き、何か叫んでいるようにも見えます。これは、壮絶な修行の末即身仏になられた最期のお姿なのでしょうか…正直なところちょっと怖いです。
舜義上人が納められていた阿弥陀如来タイプの石室
妙法寺のある土地一帯が湿地帯であったため、舜義上人は阿弥陀如来の石仏の中に入定されたそうです。
こちらが、石室となる阿弥陀如来像。
上下にパカっと開けることができ、中へ入れる形になっています。
入定されてからかなりの年月が経った頃、当時のご住職や村の人の夢の中に舜義上人が何度も現れたそうです。ご住職が石仏を開けてみると、見事な即身仏になられた舜義上人のお姿があり、お堂にお祀りするようになったのだとか!
今回は仏像にも注目
お堂の真ん中には、平安時代・9世紀の作と伝わる大きな阿弥陀如来さま。脇侍には伝観音菩薩さまと剣を持った伝天部立像という謎の阿弥陀三尊像がいらっしゃいます。
(画像:茨城県教育委員会ホームページより)
阿弥陀如来さまは、螺髪が全て失われていながらも、お顔はキリッとしたイケメン!とても端正なお姿です。制作年代やお顔の雰囲気を見ると、当初から阿弥陀如来さまであったかは分かりません…。元は薬師如来さまであったという先生の見解もあるようです。
そして、剣を持つ謎の伝天部立像は、教育委員会のサイトを見るとさらに伝虚空蔵菩薩さまであると記載されていました。いつどのタイミングでこの三尊形式になったのか?ますます謎は深まるばかり!
妙法寺のご本尊さま延命水引地蔵菩薩立像さまで、阿弥陀如来さまのちょうど後ろにいらっしゃいました。参拝者から見ると須弥壇の奥の方で下半身しか見えない状態。お寺の方は秘仏とおっしゃっていましたが、このような秘め方を目にしたのははじめてでした。
その他、四天王さまや不動明王さま、そして、節分の日にはお堂の真ん中に登場するという鬼の像など…
妙法寺は即身仏の他、仏像の宝庫でもあるお寺でした。