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仏像部茨城遠征|黄門さまも愛した!?大日如来@宝幢院

黄門 meets 平安仏

背伸びをすれば、もうそこには2020年が見えている…!

今年の見仏記録、今年のうちに…!

ということで、年内最後の更新記事となりますが、少しお付き合いください。

茨城遠征1日目のラストを飾ったのは、城里町の宝幢院(ほうしょういん)。

真言宗豊山派であるこちらのお寺いたのは…

木造大日如来坐像(平安時代)

平安時代の作といわれる、像高95センチの立派な大日さん…!見応え…!

大日如来像としては、茨城最古とのこと。OH!

もともと常陸太田の白馬寺からやってきたのだそう。

限られた光の中、ぼうっと浮かび上がる金色の肌や韻を結ぶフォルムは美しかったです。

端正かつ知的な顔立ちで、実際にお会いすると、写真よりもソフトな印象。

結われた髪が両サイドで羊の角のようにぐるぐると円を描いているのも特徴的です。

実は、この宝幢院、徳川光圀 a.k.a 水戸黄門さまと縁が深く、

元服の際に髪の毛を納めていたり、黄門さんの発願で現在の地に移転したりしています。

本人も実際にお寺に足を運んでいたそうで、

大日さんの体内背面部には、ばっちり「徳川光圀」の銘文があるそうです。

黄門さんが対峙していたであろう仏像に、何百年の時を超えて、会っている…!

そう思うとSF(少し不思議)。そこには、身分の差も、年の差もないわけで、

ただ、空間のなかで対峙する構図が、等しくある。

きみは仏具「香象」を知っているか

そして、このお寺には、ほかにも見どころがいっぱいありまして…

まず、大日さんの奥にひっそりと座っている謎の如来。

詳細不明。薬壺をもってそうな気配も…?螺髪のパーツの良さ…!

詳細は不明なんですが、なにこのシンプル&プリミティブ。

簡略化されたライン、膝部分の衣の重なり方なんかも素敵。

デザイン的な仏像で非常にキュートでした。円空好きの癖ゆえ好みです。

次に、室町期あたりのものといわれる両界曼荼羅。

こちらは、金剛界曼荼羅(絹本著色)。

よく見て…!朴訥としたタッチの…というか、いい感じの雑さで描かれた仏たちを!

白象もいいが、その下の丸こい方たちもたまらないものがある。ほっこり。

そして、最後に見せていただいたのが、これです。

「香象」という名の仏具。

真言宗で昇級(?)の試験などで使われる仏具「香象」と呼ばれるもの。

はじめてみました。象型の香炉なんだそうです。

アジア雑貨屋感。そして、口元のワニワニパニック感よ…!

ワニワニパニックやりたい。

この珍妙ながら愛嬌のあるフォルムに見入ってしまった仏像部でした。

宝幢院さま、その節は、貴重な寺宝をたんと見せていただき、本当にありがとうございました。

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