【仏系映画鑑賞】円空のドキュメンタリー!?映画発見。
お暑うございますね…だがしかし、本日立秋なんですって。
どうなってるの…とりあえず、長雨からの脱却は喜ばしいことです(洗濯物が信じられないほど乾く)。
なんとなく仮の日常を過ごしているような日々が続いていて、
まだまだ自由に足を伸ばして見仏には行きにくい…ということで、
前回の空海映画に続き、アマゾンプライムで見つけた仏系(not フランス映画)映画をチェック!
今回見つけたのは、「円空 今に生きる」(2012)。
そうなんです、まさか円空の映画があるとは…
『円空 今に生きる』(2012/日本)
監督:村上清治
出演:森一/有馬理恵
おすすめ度:★★ (2/5)
いちばんの見所:円空学会監修の彫りシーン、関係各寺住職のインタビュー
ターゲットは海外? 監督は「日本文化を伝えたい」
すいません、偉そうに、星2つとか…星2つの理由は、このブログを見ているであろう仏像好きにとっては、少し物足りないのではという意味を踏まえての2、という感じでしょうか。
村上監督は、主にドキュメンタリー作品をメインに撮られている方で、明治時代から続く芝居小屋と大衆演劇の一座を追った『康楽館 人情芝居小屋』(2002)、2016年には江戸時代に日本伝統の「大和絵」を蘇らせた絵師たちを描いた『京都「やまと絵師」物語』を発表しています。後者も、アマプラで観れますね。
作品は、シンプルなドキュメンタリーではなく、ドキュメンタリーに創作ドラマをプラスした「ドキュドラマ」というスタイルを用いているそうで、NHKの歴史番組『その時歴史が動いた』に近い作り。
ドキュメンタリーという手法も、結局作り手の意思が大きく反映されるものなので、元々ドキュメンタリー=ノンフィクションではないことを考えると、ドラマを加えることで、より監督側のメッセージが強く現れるやり方なんだと思います。情に訴えかけるというか…
「俺(監督)の思う円空!」がビシビシきます。
ただ、テレビの情報番組に挟まれるイメージ映像として観るのと比べて、一つの映画作品として観るとなると期待するクオリティやハードルが上がってしまうので、ドキュメンタリー映画としてはどうなのかな…チープさが浮いてしまうのではないかなと思いました。
やたら、映像にキャプション以上の説明テキストが畳み掛けるように入ってくるのも、映画って、本来テキスト以外の要素で鑑賞者が感じるものじゃなかろうか、なんて思ってしまい…個人的にはumm案件です。
この『円空』は、米国ルイビル国際映画祭最優秀ドキュメンタリー賞を獲得しているそう。他の作品も、日本文化を海外に伝えたいという向きが強いようなので、そこを意識した「よりわかりやすく!」という構成が、日本に住んでいる上に仏像好きな私たちには、多少しつこく感じられるのかもしれないですね。
とりあえず、円空仏が動画で観れて嬉しい
以前、仏像部でも遠征した浄名寺(愛知県)の観音さんや、円空さんが54歳のときに1年滞在した千光寺(岐阜県)の両面宿儺像やおびんづるさん他、円空仏ももちろん出てきます。ほっこり。会いに行けない仏像が、写真じゃなくて動画で見れるのは嬉しい。
そして、円空仏の紹介と共に流れる、お寺の住職や円空学会の方のインタビューがよかった。
仏像好きとしては、日々、円空仏に接している方の生の声や資料をもっと観たい!
あと、円空仏を彫るシーンが円空ドラマの中のイメージ映像として挟み込まれるのだけど、いや、むしろ現在も円空仏を彫っている方の技術的な話や、その方達が思う円空の話が聞きたい。もう少し、造形や美術的な視点があったなら。と思ったんですが、わたしだけ?
と、個人的に思うところは色々あれど、総じて、円空の人生の歩み方や、仏像を彫るようになった背景はわかりやすく描かれていたので、円空を知るきっかけとして勧めたい1本、という印象でございます。
もし観られた方がいましたら、ぜひ感想ください。